KATTE

パフォーミングアーツや社会学のことについて、勝手にあれこれ書いています

ゆっくりにする

4月から、大学の常勤教員として働くことになった。若い人たちに一方的に話を聞いてもらえるような仕事は(それ自体が良いことなのかはさておき)大学教員以外、あんまりないわけで、若い時間を私なんかの話に費やしてくださっていることを自覚した上で、がん…

「ミアレシティは燃えているか」:ポケモンz-aの感想

ポケモンの最新作、「ポケモンz-a」をクリアした。 このゲームは、パリがモデルの街が舞台で、他所から街に入ってくる野生のポケモンたちと、もともと街に住んでいた人間たちの共生が一貫したテーマである。もともと住んでいた(と主張している)人たちが抗…

Xを辞めることをする

昨年の後半くらいから、X(旧Twitter)を辞めてみている。しかも、たんに辞めているだけではなくて、積極的に「辞めること」をしている。 いくつか理由はあるのだけれど、一番の理由は、Xが(運営元がイーロンマスクになったあたりから)ヘイトスピーチやフ…

その「対話」は必要か:いいへんじ「われわれなりのロマンティック」感想

いいへんじという劇団の「われわれなりのロマンティック」という作品を観た。 本当に久々の観劇だったのだけれど、非常に興味深い作品で、わたしは観られて良かった。作品自体は、きわめて素直な作品だったと、私は思う。好感を持って観た。 ---- 劇団のホー…

ちょい長20代の終わりと

またしばらく、ブログを更新していなかった。 このところ、何年か前に提出した博士論文を、本の形にして出版するための準備をしていた(人文系の博士論文は、卒業後の数年のうちに本の形にして出版するのが一般的である)。ずっと文章を書いていたものだから…

魔法使いにならないように気をつけたい

エイジズムに加担するつもりはないけれど、いざ自分のことになると、わたしは自身の年齢をなにかと参照してしまう傾向があるな、と思う。あと1ヶ月も経たぬうちに、20代が終わろうとしている。 演劇(や芸術)へのあこがれと、会話分析の研究とが絡み合いな…

沖縄のこと

3月は、沖縄に行ったのだった。 戦争に関する記録や展示を、見られるうちに見ておこうと思った。コザなど、もう少し時間をかけて回って、フォークソングなどを聴きたかったのだけれど、4泊5日は、沖縄を回るには短すぎた。 大きな戦争が起こる可能性は、少し…

サンタクロースと、いたいけな大人たち

サンタクロースを信じていたのは何歳ぐらいまでだっただろうか。 わたしの通っていた小学校は、「サンタはいない!」ということに気がつくのが比較的早い小学校で、小学校2年生くらいには、「いない」ということを、みんなが共有していたような気がする。も…

おやすみ革命

大学の(教える方の)授業が始まったのもあって、なかなかブログを更新したり、演劇や映画を見たり、小説を読んだりする時間が取れないでいる。ほかの研究者のひとたちは、どうやって、授業やゼミをやったりしながら本を書いたりできるんだろうと、あらため…

積み立ての詩学

会う人会う人、みんな積立NISAの話ばかりするものだから、(貧乏人のわたしとしては)不安に駆り立てられる。 そもそもNISAとは何なのかよく知らないし、なにを積み立てているのかもいまいちよく分かっていない。そうじゃないことは分かりつつ、「積立NISA」…

E-Sports(パワプロ)で諸葛孔明になりたい欲望

おそらく、このブログを読んでいる誰も、「パワプロ」をやったことがないだろう。ほとんどの人は、「パワプロ」が何を指しているのかも知らないと思う。パワプロとは、「実況パワフルプロ野球」という野球ゲームのことである。二等身のお団子みたいなキャラ…

センセイと呼ばれること

博士論文の審査に通ってから一年ほどが経った。「センセイ」と呼ばれることが増えて、海外での敬称も"Dr."ということになった。敬称が(Mr.やMs.などに代表される)ジェンダー規範から自由になったのは良いことだけれど、今のところは、全然しっくりきていな…

6月に観た作品の感想

6月は国際学会の準備に時間を使ったので、そんなに数は観られなかった。 ちなみに、5月に観た作品については、下のリンクから観られます。↓ minartsuzuki.hateblo.jp 以下、いま覚えているものだけ、つらつら書いていきたい。 ----- 福田尚代さんの展示「ひ…

参加型アートの中断不可能性(おぼえがき)

前々回の記事に引き続き、「参加型アート」(特に、始まりと終わりの時間が決められているパフォーミングアーツ)における、観客の中断不可能性について考えてみたい。 「パフォーミングアーツ」界隈で、観客参加型の上演は、とにかく流行っている。なべて、…

5月に観た作品から連想したこと

5月はあちこち遠征していた。いろいろ、観ることができた。観て、連想的に思ったことなど、つらつら書いていきたい。----- ふじのくに世界演劇祭2024では、いろいろ観た。きちんと最初から最後まで観たのは、4本。 SPAC『白虎伝』 Co.SCOoPP.『まちなかサバ…

断想、差別やパフォーマンスについて

小さなライブハウスのイベントに行ったら、(客席にいる)特定の人をターゲットにした、舞台上のパフォーマーからの差別に遭遇した。ターゲットにされている人は帰ったし、わたしも入って10分経たずに帰った。 こういうこと、すごくときどきある。声をあげら…

音楽がおもしろい、とりとめのない話

音楽がおもしろい。 5月12日に、共同で作曲した作品を京都市立芸術大学で演奏してもらえるという機会があって、はじめて現代音楽(実験音楽?)の演奏会に行ったのだった。もともとわたしは実験的な演劇が好きだということもあって、ぼそぼそ声が音として含…

いまをなつかしむ

なんだかニーチェのことが頭を過ぎる永劫回帰のことだ昨日から。もし宇宙が無限回の試行を繰り返しているのだとしたら、これまであったことや、これからあることは、必ず、またあることであるのだし、かつてあったことでもある。だとしたら、いま私が書いて…

詩人失格

noteからはてなブログに移行して、エディタの問題もあるのか、書く文章が理屈っぽくなってきている。(それが自分でも少し嫌で、更新から手が遠のいていた)もうすこし、散文詩みたいに、余裕をもって考えていることを書くようにしたい。 わたしは、ふだんの…

「訥」という音楽作品が上演されます

公募に出していた「訥」という現代音楽の譜面が、審査を通過し、アーツコレクティブのRosettaさんに上演してもらえることになった。ありがたいことです。 rosetta-music.com この作品は、簡単にいえば、明確な議論の舞台に載せられる資格を得ることのなかっ…

グレーゾーン、社会的意義、ドラマトゥルクのこと

今日は、ドラマトゥルクについて今考えていることを、芸術の社会的意義という観点からまとめてみたいと思います。 とくに、芸術に関しての社会的理解があまり得られているようには思えず、芸術業界と社会一般が遊離してしまっている現状もあるように思われま…

よみちにひはくれない

noteから、はてなブログに移行して、半年くらいが経った。 私はほんとうに「気にしい」なので、「いいね」とか「スキ」とか、ついつい気にしちゃうのだけども、はてなブログはそういう機能がないからいい。評価したり、評価されたり、そういう観点から人を眺…

コロナ禍の私的振り返り その2

仕事の関係で、コロナ禍のアート業界の趨勢について調べている。 仕事の中身自体は、いつ、緊急事態宣言が起こって、いつ、まん延防止措置が取られて、それがどういうもので、AAFではいくら助成金が交付されて……というような、いわば客観的な事実関係を洗っ…

貧乏などをオープンにする

研究したくない日、というのはときどきあって、今日がその日である。 自宅の作業部屋の机に向かっているのだが、関係のない演劇の動画を観たりしてしまっていて、原稿のwordファイルを開く気になれないでいる。だから、今日は、今年立てた目標について、ここ…

「ボドゲー的孤独感」のこと

どこも混んでいるし、友だちは実家に帰っているし、かといって何もしないのも、なんとなく怠惰な気がして罪悪感すら感じるから、年末年始ってば、苦手だ。 今年から、わたしはパートナーと一緒に暮らしているのだけれども、年末は、パートナーは忘年会に行っ…

はて、読みにくい自己紹介

期せずして、前回に引き続き、自己紹介について、書く。 ただ、いろいろ書きすぎると、へんにストーリー化してしまう嫌いがある。たしかに、ストーリー化して物事を語るのは簡単だし伝わりやすくもあるのだろうけれど、ストーリーであればあるほど、どの自己…

自己紹介のこと

ひとに自分が誕生日であることを報告するのが、わたしは苦手だ。ちょっと気恥ずかしい感じがしてしまって自分から言い出すことができない。だからといって、祝ってほしくないというわけでは決してなくて、むしろ、おめでとう的なLINEが殺到することを、心の…

ラジオのこと

わたしは、ダラダラとしゃべっている時間が好きで、ラジオやポッドキャストなど、比較的よく聴いているほうだと思う。ラジオは、かしこまって聴かなくても、聴きたいところだけ聴いておけばよいから、気が楽である。 映画や本は、やっぱり、観たり読んだりす…

私的・コロナ禍振り返り(舞台制作編)

Googleフォトには、数年前の同じ日に撮った写真を一番上に表示してくれる機能があって、コロナで中止になった公演の会場を下見に行ったときの写真がたくさん表示されていた。コロナ禍もいつの間にか終わりを迎えていて、最初に公演が中止になってから、だい…

イラッとすると、ついついゲームしたくなっちゃう病

タイトルの通りである。 どうも、ストレスが溜まると、わたしはゲームをしたくなってしまう。これといって楽しいとか、そういうわけではないのだけれど、「ストレスが溜まったらゲームの世界に逃避せよ」というような指示が、おそらく、青年期くらいから、わ…